“お急ぎのところすみませんでした”

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

平日の午前に稀にしか利用しない路線バスに乗りました。
行き先は地域の大きな総合病院です。
7割近くの座席が埋まっており,利用客はほとんどが高齢の女性でした。
あるバス停で車椅子の方と付き添いの女性が待っていました。
車椅子用のスペースには2席のシートが設置されていて,それを跳ね上げて車椅子1台が利用できるようになっていました。
運転手さんの案内で,その2席に座っていた方が空席に移動し車椅子の方が乗車しました。
私も含めて乗客はその様子をじっと見ていました。
移動する2人の方に空席の場所を案内する方もいました。
その間,3分位かかったでしょうか。
車内の空気は温かかったと思います。
バスが出発するときに付き添いの方が乗客に「お急ぎのところすみませんでした」と話しました。
付き添いの方が言葉を発した気持ちはわかるような気がします。
おそらく私がその立場でも同じようにしたでしょう。
でも,このような言葉を伝えたくなってしまう,あるいは伝えないと変にみられる社会でいいのかなあと思いました。
ベビーカーや乗降に時間のかかる方の利用でも,周囲に遠慮したり,すまないという気持ちになったりしない社会になっていったら。
それはバスの利用に限らず,人が生きることで新たな何かがもたらされることにつながると思った場面でした。