事前にどんな予防対策をしたとしても、別れには少なからず喪失感が伴います。ここでは、この逃れられない喪失感にどのように向き合うかについて考えていきます。
まず、この場合の当事者である里親が、オレンジ・カフェなどに参加して、喪失感を他の参加者と共有することが有効だと思われます。いわゆるピア・カウンセリングですが、同じ経験をしている里親と話すことにより、喪失感を軽減することが期待できます。
次に、里親に何らかの方法で、家庭復帰したり施設入所した元里子の現状が伝えられたり、さらにはもう一歩進んで、解除や変更後も里親が元里子との交流を続けることができれば、里親の喪失感は大きく軽減できると思います。しかし、現状は個人情報保護や里親が実親とのトラブルに巻き込まれないためなどの理由から、里親委託からの措置解除・措置変更ケースについては、多くのケースで両者の関係は途絶状態です。不調ケースなどを除いて、家庭復帰後、施設入所後に里親と元里子の交流が実現していくことになれば、別れによる里親の喪失感は大幅に減少するのではないでしょうか。
940 里親の喪失感を考える⑧
・・・里山の季節の移り変わりや里親として感じていることなど