里親、特に養育里親について考えるとき、一つの大きなテーマは家庭復帰や施設への措置変更に伴う「別れ」 に付きものの「喪失感」だと思います。これとよく似た状態に「空の巣症候群」があります。「空の巣症候群」(以下「空の巣」)とは、子どもの巣立ちの機会に保護者や両親が自分自身の役割が喪失したという思いに駆られて、空虚感や喪失感が強まる状態を指し、重い症状ではうつ病を発症する場合もあると言われています。
しかし、「空の巣」と里親が陥る喪失感とは様々な点で異なると考えられます。今日から何回かのシリーズで、里親の喪失感について、「空の巣」と比較することにより考えてみたいと思います。その上で、里親の喪失感への向き合い方や、支援者側の対処の仕方について述べていくつもりでいます。
933 里親の喪失感を考える①
・・・里山の季節の移り変わりや里親として感じていることなど