処遇の改善

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

誰でも保育所を利用できる,という話が進んでいるようです。
保育所利用には,養育者の就労など一定の利用要件を満たす必要があります。
その見直しには意義があるという一方で,保育現場の状況を踏まえていないとの主張もあります。
その話題を耳にし,記憶に強く残っていることがあります。
以前,公立幼稚園の園長を務めていました。
勤務する幼稚園教諭は,いわゆる正規雇用と非正規雇用の先生で構成されていました。
当時,非正規雇用の先生は時給1,000円,夏休み期間中の就労時間は限りなく少ないものでした。
隣の組の正規雇用の先生と同じ仕事をします。
保育所も同じだと思いますが,幼稚園の先生方はトイレに行く時間を生み出すのも苦労する仕事です。
保護者の方には雇用状態はわかりません。
園長として釈然としない気持ちを持ち続けました。
その後の異動で,非正規教員の時給について意見を言える機会を得ました。
それなりに関係者の理解も得られましたが,変更された時給は1,200円に留まりました。
自身のふがいなさを感じました。
いわゆる処遇の改善が容易ではないことを実感しました。
労働環境の改善も同様なのでしょう。
いま進んでいる話題が当時の思いを鮮明に蘇らせました。