3.11②忘れられない話題

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

震災後2ヵ月くらい,私はよく涙を流すようになりました。
報道される過酷な状況に心がついていけなかったからだと自分では思っています。
数ヵ月は被災地に出向く気持ちになれませんでした,自分が壊れてしまいそうで。
さまざまなことが報道されるなか,胸が熱くなり,感動して涙する話題も多く耳にしました。
人の気持ちの優しさ,すごさ,崇高さに,今でも忘れられません。
胸ポケットのノートに書き残してあった話題からいくつか…。

○劣悪な環境の中で,自身の疲労とも闘いながら医療行為を続ける医師。
受診後,途方にくれながらも「本当にありがとう」と高齢者。
「頑張って」とはどうしても言えず,「いつでもここに居るから」。

○全然眠っていないであろう自衛官の夫に「無理しないで」とメール。
返事は「自衛隊なめんなよ。いま無理しないでいつ無理するんだ」。

○避難所で配られるわずかな食事。自分の分もまず子どもに。
子どもが残した分を口に運ぶ母親。

○お菓子を手にレジに並ぶ子ども。順番が近くなり考え込み,
レジ横にあった募金箱にお金を入れ,お菓子を棚に戻して出て行った。
店員さんがその子どもの背中に向けてかけた言葉。
震える声で「ありがとうございます」。

○前日,親が買ってきた2つのトイレットペーパー。
「みっともない」と言って,うちひとつを返品にきた高校生。

○被災状況を淡々と読み上げる男性アナウンサー。
「ストレスで母乳が出なくなった母親が夜通しスーパーの列に並んでミルクが手に入った」と紹介。
その後,絶句。泣いていた。